はんだごてとは?
はんだごては、熱を発生させるヒーターと、その熱を伝えるコテ先で構成されており、金属を溶かすための道具ではありません。
その役割は、部品のリード線や基板のランド(銅箔)といった「母材」を適切な温度に加熱し、その熱ではんだ(糸はんだ)を溶かして接合させることにあります。
はんだ付けが成功すると、電気を通すだけでなく、接合強度も確保されます。
はんだごての選び方
はんだごては、構造や機能によって種類が分かれています。用途に合わせて適切なものを選びましょう。
加熱方式・ワット数・はんだの種類から選ぶ
適切なはんだごてを選ぶためには、加熱方式、ワット数(消費電力)、そして使用するはんだの種類を理解することが大切です。
加熱方式による特徴
-
セラミックヒーター
昇温速度が非常に速く、コテ先が短いため精密な作業に適しています。電子工作など、デリケートな作業に最適です。 -
ニクロムヒーター
構造がシンプルで安価ですが、昇温はセラミックよりも遅いです。熱容量が大きく、一度温まると安定しやすい特徴があります。
ワット数と温度調整の目安
はんだ付けの対象となる部品や基板の大きさ(放熱のしやすさ)によって、必要なワット数が異なります。
-
20W~30W
ICやトランジスタなど熱に弱い小型部品向け。 -
40W~60W
基板への汎用部品のはんだ付けや、一般的な配線作業向け。ある程度の放熱がある母材にも対応できます。(※修正済み) -
80W以上
大型コネクタや太い電線など、放熱が大きい部品向け。
小さな部品でも放熱が大きい場合は、ワット数を上げるか、温度調整機能付きのはんだごて(ステーション型)を選ぶのが確実です。コテ先の推奨温度は340℃~360℃が一般的です。
正しい使い方(はんだ付けの基本手順)
はんだ付けの最大のコツは、「母材に一気に熱を伝えること」です。
-
コテ先のクリーニング
温まったら、濡らしたスポンジや金属ワイヤークリーナーでコテ先をきれいにします。 -
予備はんだ(コテ先への供給)
きれいになったコテ先に、少量のはんだを溶かして馴染ませます(熱伝導が向上します)。 -
母材の加熱
はんだごてのコテ先を、部品のリード線と基板のランド(銅箔)の両方に同時に当てて熱を伝えます。コテ先を寝かせて接触面積を広くすると効率的です。 -
はんだを供給
母材が十分に温まったのを確認し、はんだごてとは反対側から、溶かす分だけはんだを供給します。はんだは熱された母材に吸い込まれるように広がるのが理想です。 -
はんだとコテを離す
はんだが滑らかに広がり、きれいな富士山型になったら、まずはんだを離し、次にはんだごてを垂直に素早く離します。
作業後は、コテ先をクリーニングしてから少量はんだを盛り、手を洗って終了です。

