エアーコンプレッサーの使い方と選び方

エアーコンプレッサーは、DIYやメンテナンス、工場での作業など、さまざまな用途に役立つ道具です。正しい使い方を知ることで作業の効率を大きくアップさせることができますし、選び方を間違わなければ、長期間安心して使用できます。この記事では、エアーコンプレッサーの種類や選び方、そして基本的な使い方について詳しく解説します。

エアーコンプレッサーとは?

エアーコンプレッサーは、空気を圧縮して、そのエネルギーを利用する装置です。モーターやエンジンを使って空気を圧縮し、その圧縮空気をエアーツールに送り、さまざまな作業を行います。例えば、エアブラシやスプレーガンで塗装をしたり、タイヤに空気を入れたり、さらには自動車の整備に使ったりします。

エアーコンプレッサーの最大の特徴は、その「ハイパワー」です。電動工具と比べて軽量でコンパクトなものが多く、動力を内蔵していないため発熱しにくく、長時間の作業にも適しています。しかし、使用するためにはエアーツールを別途揃える必要があり、バッテリー式の電動工具とは異なり、設置場所がある程度決まっているため移動しての使用は不便です。

エアーコンプレッサーの選び方

エアーコンプレッサーは用途に応じてさまざまなタイプがあります。以下の選び方のポイントを押さえれば、自分のニーズに合ったものを見つけることができます。

1. 潤滑方法

エアーコンプレッサーには、潤滑方式に応じて「給油式」と「無給油式」の2種類があります。

  • 給油式(オイルイン)
    給油式のエアーコンプレッサーは、圧縮機の回転部分にオイルを使用して潤滑します。このタイプは比較的安価で、機械的には丈夫ですが、吐出される圧縮空気の中に微細なオイルが含まれるため、塗装や精密作業には不向きです。頻繁にオイルの補充や交換が必要になりますが、安価で入手しやすいため、初心者向けとして人気です。
  • 無給油式(オイルフリー)
    無給油式のエアーコンプレッサーは、オイルを使わずに内部部品に潤滑性を持たせた素材を採用しています。吐出される圧縮空気はオイルが含まれないため、塗装や清潔な作業を求める場合に最適です。また、オイル交換が不要でメンテナンスが楽なので、使用後の手間も少なくなります。

2. 吐出圧力

エアーコンプレッサーを選ぶ際、圧力(psiやBarなどの単位で表記される)をチェックすることが重要です。エアーツールには、それぞれに必要な圧力があり、これが不足するとツールが十分に機能しません。

たとえば、スプレーガンや塗装用のエアブラシは一定の圧力で動作します。逆に、タイヤに空気を入れる場合はそれほど高い圧力は必要ありません。使用したいツールに必要な圧力を確認し、それに見合ったエアーコンプレッサーを選びましょう。また、圧力調整ができる機種を選ぶと、さまざまなツールに柔軟に対応できるので便利です。

3. タンク容量

タンク容量は、コンプレッサーの効率に直結します。タンクが大きければ、圧縮空気を長時間ためておくことができ、圧力の低下を防ぐことができます。塗装や長時間の作業が必要な場合は、タンク容量が大きいものを選ぶと良いでしょう。

逆に、軽作業であればタンク容量が小さいコンパクトなモデルでも十分です。特にDIYの場合、頻繁に圧縮空気を使わない作業が多いため、小さなタンクで軽量なものが便利です。

4. 騒音

エアーコンプレッサーは作動中にかなりの音を発するため、住宅街などでは騒音が気になることもあります。作業を行う場所が静かな環境の場合、騒音の少ない静音設計のコンプレッサーを選ぶと良いでしょう。製品には、騒音値がデシベル(dB)で表示されているので、使用する場所に合わせて適切な機種を選んでください。

例えば、エアコンの室外機が約50dB、掃除機が約70dBなので、それを基準に選ぶと音の大きさがイメージしやすいです。

エアーコンプレッサーの使い方

エアーコンプレッサーの基本的な使い方をマスターすれば、DIY作業の効率が大幅に向上します。以下にその基本的な手順を説明します。

1. エアーツールの取り付け

エアーコンプレッサーを使う際には、まずエアーツールを取り付けます。コンプレッサー本体にはエアーホースを接続するための接続口があり、エアーツール側にもジョイント部があります。これらをしっかりと接続し、エアー漏れがないか確認してください。

ホースの長さや形状、接続口のサイズがツールに適しているかもチェックポイントです。作業環境やエアーツールによって、ホースの長さや素材を選ぶと作業がスムーズになります。

2. コンプレッサーの電源を入れる

接続が完了したら、エアーコンプレッサーの電源を入れます。コンプレッサー内で空気が圧縮され、タンクに空気が溜まります。この間、エアーツールは使用せず、コンプレッサーが圧力を上げるのを待ちます。

圧力計の数字が規定値に達するまで待つことが必要です。この間、機械は音を立てて圧縮空気をタンクに送り込みます。タンク内の圧力が設定値に達したら、エアーツールを使用して作業を開始できます。

3. 圧力調整

使用するエアーツールに合わせて、圧力を調整します。圧力調整ノブを使って、必要な圧力に設定しましょう。特に塗装作業や精密な作業を行う際は、圧力が適切でないと仕上がりに差が出てしまいます。

4. 作業後の注意点

作業が終了した後は、タンク内の圧力を抜くためにドレンコックを開けて圧縮空気を排出します。これにより、タンク内の湿気を防ぎ、長期間の使用に耐えられる状態に保つことができます。

また、使用後はエアーツールやホースも取り外し、しっかりとメンテナンスを行いましょう。定期的な清掃やオイルの交換(給油式の場合)は、エアーコンプレッサーの寿命を延ばすために必要です。

まとめ

エアーコンプレッサーは、適切に選び、使い方をマスターすることで、DIY作業を大きく支援してくれる道具です。自分の作業環境や用途に合わせて、潤滑方法や圧力、タンク容量などを考慮して選びましょう。また、基本的な使い方を覚えておくことで、安全に効率よく作業を行えます。エアーコンプレッサーを使うことで、より幅広い作業ができるようになり、DIYの楽しさが倍増すること間違いなしです。